“センス”も包んで、あの人へ
1986年
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ハデ婚の時代にぴったりな金封とは?
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ひと昔前の金封(祝儀袋)と言えば、和紙に金銀や紅白の水引とのしを添えただけの、シンプルなデザインが一般的でした。そうした伝統的な金封に一石を投じたのがマルアイと知ったら、驚かれるでしょうか?
時は1980年代、豪華で盛大な「ハデ婚」が流行っていた時代。個性を大事にする気運を察知した協力会社から、斬新なデザインの金封がマルアイに持ち込まれます。
「新しい価値観を柔軟に受け入れるマルアイさんなら作ってくれるかも!」
そうして提案されたのが、カラフルな水引や友禅紙を使った、見たこともない金封だったのです。
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「祝儀のマルアイ」と言われるように
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あまりの目新しさに、社内でも「世間に受け入れられないのでは?」と疑問視する声がありました。しかし、最終的には商品化を決断。当初こそ伝統が重視される地方部では反応がいまいちでしたが、地道に良さを訴えた結果、3年ほどで全国的なスタンダートになっていきました。
現在、ご存じのように「デザイン金封」は広く世の中に受け入れられています。そしてその先駆けとなったことで、「祝儀のマルアイ」のイメージも確立されたのです。
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エピソードの
後日談…
「デザイン金封」が新風を巻き起こした結果、金封売り場は大きく様変わりしました。今ではピンクやブルー、リボンの水引、布製のもの等々、個性豊かなアイテムが当たり前に並んでいます。
もっとも、込められた思いに違いはありません。“こころ”と一緒に“センス”も包んで、あのひとへ。「デザイン金封」には、コミュニケーションを大事にするマルアイの伝統もしっかり引き継がれています。