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マルアイエピソード

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MARUAI EPISODES

マルアイらしさって、なんだろう?

たくさんの「こころ くらし 包む」を生み出してきたマルアイの歴史から、
ひときわ“マルアイらしさ”を感じさせるアイテムをピックアップしました。
モノづくりにかける熱い思いを、10のエピソードから受け取ってください。

マルアイエピソード
#01
マルアイエピソード
人生で一番
ときめく日

お祝いする袋
マルアイエピソード

デザイン金封

1986年

今や定番となった個性豊かな金封はマルアイが発祥って知ってた!?
マルアイエピソード
#02
マルアイエピソード
学校や職場で
誰もが必ず
使った
あれ…
マルアイエピソード

マス目模造紙

1976年

使い勝手のよいマス目が付いた模造紙は社内のアイデアグッズがその原型!?
マルアイエピソード
#03
マルアイエピソード
「おくる」シーン
欠かせないいつもの
マルアイエピソード

藤壺封筒

1956年

マルアイの封筒ブランド“藤壺”。バリエーションはなんと○○○種類以上!?
マルアイエピソード
#04
マルアイエピソード
気軽に「ありがとう」
伝える名わき役
マルアイエピソード

こころふせん

2013年

“のし”から着想した風変わりなふせん。誕生のきっかけは同僚の気遣いだった!?
マルアイエピソード
#05
マルアイエピソード
“包んで”あるから
手軽に○○○を
食べられる
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冷菓袋(アイス袋)

1960年代

昔は紙、今はフィルムのアイス用包装袋。化成品事業はここから始まった!?
マルアイエピソード
#06
マルアイエピソード
電子部品を守れ!
ポリ袋に特殊な
性能をプラス
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静電気防止フィルム

1980年代

コンピューターを保護する重要な袋を食品用フィルム袋メーカーがなぜ製造?
マルアイエピソード
#07
マルアイエピソード
カーボンなのに透明?
電子部品を扱う
現場の不便を解消
マルアイエピソード

SCS(スーパークリーンシート)

1980年代

真っ黒が常識の電子部品トレイを半透明化。その秘訣は、カーボンを○○する技術だった!
マルアイエピソード
#08
マルアイエピソード
日本の伝統美
驚きのデザインで刷新
マルアイエピソード

こち

2008年

“マルアイの顔”を期待された金封ブランド。あまりにも斬新なデザインに、社内も社外も大騒ぎ!?
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#09
マルアイエピソード
お年玉ならぬ…
夏のお〇玉って?
マルアイエピソード

お盆玉袋

2010年

家族や親戚の絆を深めるお盆玉。夏の新習慣はマルアイから生まれた!?
マルアイエピソード
#10
マルアイエピソード
塗っても、描いても。
巨大なキャンバス
マルアイエピソード

NuRIE(ヌーリエ)

2014年

世代を問わずに会話を生む“ぬりえ”。後押ししたのは被災地のエピソードだった!?
“こころ”と一緒に
“センス”も包んで、あの人へ
デザイン金封

1986年

マルアイエピソード
  • ハデ婚の時代にぴったりな金封とは?

    • ひと昔前の金封(祝儀袋)と言えば、和紙に金銀や紅白の水引とのしを添えただけの、シンプルなデザインが一般的でした。そうした伝統的な金封に一石を投じたのがマルアイと知ったら、驚かれるでしょうか?
      時は1980年代、豪華で盛大な「ハデ婚」が流行っていた時代。個性を大事にする気運を察知した協力会社から、斬新なデザインの金封がマルアイに持ち込まれます。
      「新しい価値観を柔軟に受け入れるマルアイさんなら作ってくれるかも!」
      そうして提案されたのが、カラフルな水引や友禅紙を使った、見たこともない金封だったのです。
  • 「祝儀のマルアイ」と言われるように

    • あまりの目新しさに、社内でも「世間に受け入れられないのでは?」と疑問視する声がありました。しかし、最終的には商品化を決断。当初こそ伝統が重視される地方部では反応がいまいちでしたが、地道に良さを訴えた結果、3年ほどで全国的なスタンダートになっていきました。
      現在、ご存じのように「デザイン金封」は広く世の中に受け入れられています。そしてその先駆けとなったことで、「祝儀のマルアイ」のイメージも確立されたのです。

エピソードの
後日談…

「デザイン金封」が新風を巻き起こした結果、金封売り場は大きく様変わりしました。今ではピンクやブルー、リボンの水引、布製のもの等々、個性豊かなアイテムが当たり前に並んでいます。
もっとも、込められた思いに違いはありません。“こころ”と一緒に“センス”も包んで、あのひとへ。「デザイン金封」には、コミュニケーションを大事にするマルアイの伝統もしっかり引き継がれています。

マルアイエピソード
ごく普通の模造紙が、
ちょっとの工夫で大ヒット!
マス目模造紙

1976年

マルアイエピソード
  • 社内では当たり前だった“便利さ”

    • 模造紙が生まれたのは明治時代。サイズが大きくて字も書きやすい模造紙は、いろんなことに使える便利な紙として、変わることなく学校や職場で親しまれてきました。しかし誕生から約100年を経た1970年代の中頃、不変と思われた模造紙に転機が訪れます。
      当時のマルアイでは社内掲示や会議用として、独自にマス目を印刷した模造紙を使っていました。社内で“当たり前”と受け止められていたその模造紙の価値に、ひとりの社員が気づいたのです。
      「マス目が印刷された模造紙はすごく便利だから、商品化してみたらどうだろう?」
  • たった1つのアイデアで不便を解消

    • こうして誕生した「マス目模造紙」は瞬く間に大ヒット! 「真っ直ぐ均等に文字が書けて、線がキレイに引ける」という使い勝手の良さは、世の中のニーズをガッチリとキャッチしていたのです。
      「マス目を印刷した」という点だけを見れば、ささいな工夫に映るかもしれません。けれども「もともとあるアイテムに新しい発想を加えてガラリと変化させる」のは、マルアイのものづくりが得意とするところ。模造紙の利用シーンに隠れていた不便を、1つのアイデアでバッチリ解決してみせました。

エピソードの
後日談…

1995年には、1枚ずつ箱から引き抜ける「マス目模造紙プル」も発売されています。通常の模造紙は50枚を重ね巻きして出荷されるため、「1枚ずつ取り出すのが大変」「元通りに巻くのが面倒」といった声が上がっていました。取り出しやすい「マス目模造紙プル」は、そうしたご要望の解決策として生まれたのです。ここにも、世の中のニーズをキャッチするマルアイの姿勢が生きています。

マルアイエピソード
時代を超えて愛される、
マルアイのロングセラー
藤壺封筒

1956年

マルアイエピソード
  • マルアイにとって初めてのブランド

    • 手漉き和紙の問屋としてスタートしたマルアイが封筒を作り始めたのは、終戦直後。事業が軌道に乗り二重封筒が評判を呼んだことを受けて、1956年にマルアイ初のブランドとなる“藤壺”を立ち上げることになりました。
      高度成長期になると、“藤壺”の名を広めるための販売キャンペーンを実施します。営業車やディスプレイ、パッケージ等に“藤壺”と書いてブランド名をアピール。その甲斐あって、「藤壺封筒」の名前は日本全国で知られるようになったのです。
  • お客様に寄り添った結果、270種類以上に

    • ある程度規格が決まっている封筒に“マルアイらしさ”を込めるには? その難題に対する答えの1つが、270種類以上にもなる「藤壺封筒」のバリエーションです。
      「どんなシーンで、どんな人が手にするのだろう」
      種類が多いのは、想像力を働かせて使う人に寄り添ったからこそ。基本を守りながらも、新しさを柔軟に取り入れる。マルアイらしいまじめで丁寧なものづくりが、「藤壺封筒」を支え続けています。

エピソードの
後日談…

「藤壺封筒」は誕生から長きに渡って親しまれてきました。時代によっては、会社や営業マンが「マルアイさん」ではなく「フジツボさん」と呼ばれていたこともあったそうです。
これまでに送り出した封筒の数は実に500億枚以上。長い時間をかけただけではなく、お客様に愛されたから到達できた数字であることに、私たちは誇りを感じています。

マルアイエピソード
こころをつなぐ、小さな和文化
コミュニケーションツール
こころふせん

2013年

マルアイエピソード
  • 誕生のきっかけは、ある社員の実体験

    • 「こころふせん」は、ひとりの社員のある体験から生まれました。
      それは、久しぶりに復帰した職場でのできごと。育休を取得してから別の部署に勤務をして、2年のブランクを経て企画職に復帰したときのことです。
      「以前と同じように企画の仕事をこなせるだろうか?」と職場で不安を漏らした次の日、同僚から「〇〇ちゃんなら、大丈夫だよ」という言葉とともに個包装の飴を1つ手渡されました。
      飴には小さなふせんが貼られていて、「大丈夫」の文字と水引風のイラストが描かれていたのです。
  • 見た目はかわいくても機能は本格的

    • 「彼女の気持ちがすごく伝わってきて、本当にうれしかったんです」
      ささやかな小さなふせんが、こんなにも心を動かしてくれる。同僚のやさしい気遣いとふせんのかわいい見た目に気持ちが晴れて、不安が飛んでいくようだったと言います。
      見た目はかわいい「こころふせん」ですが、相手を大切に思う祝儀用品の本質はしっかりと受け継いでいます。「こころ」を「つなぐ」という点でも、実にマルアイらしい商品と言えるでしょう。

エピソードの
後日談…

結婚式やお葬式といった特別な日のための商品を主軸としてきたマルアイにとって、なんでもない日のために持ち歩く商品は、1つの挑戦でした。しかし結果は大成功。好評を受けて、祝儀用品の本質を受け継ぐ商品が次々と生まれていきました。「こころふせん」は「日々の暮らしの中にも“お祝い”や“お礼”の気持ちを伝える場面がある」という気付きを、マルアイにもたらしてくれたのです。

マルアイエピソード
紙でフィルムで、
アイスを“包む”
冷菓袋(アイス袋)

1960年代

マルアイエピソード
  • 食品を“包む”のもマルアイの仕事

    • マルアイは創業以来、封筒や金封といった“包む”ための紙製品を幅広く手がけてきました。“包む”対象には、食品も含まれます。その包んできた食品の代表が、アイス(冷菓)です。
      今では見かける機会が減ったものの、昭和の中頃までは紙の袋で包まれたアイスが一般的だったのはご存じでしょうか? 実は1960年ごろのマルアイにとって、アイスを包む「冷菓袋」は主力製品の1つ。1962年には、紙製「冷菓袋」の売上はピークを迎えていました。
  • 時代に合わせてフィルム製にもチャレンジ

    • スーパーマーケットが台頭すると、アイスの包装はプラスチックフィルムに置き換わっていきました。時代の流れをキャッチしたマルアイは株式会社アイポリを設立し、ポリエチレン袋製造にチャレンジ。事業は軌道に乗り、今でもたくさんのフィルム製「冷菓袋」を手がけています。
      「紙製品と化成品の両方に強みをもつ企業」
      その珍しい特長は、お客様のご要望に応えるマルアイの姿勢が生んだものなのです。

エピソードの
後日談…

プラスチックフィルムというまったく新しい素材に挑んだとはいえ、“包む”のコンセプトはそれまでのマルアイと変わりません。時代の流れをキャッチすること、お客様のご要望に真摯に向き合うこと。その変わらない姿勢が、生み出す製品を変えることになりました。そして現在、アイスの包装フィルムから始まったアイポリは化成品事業に姿を変え、主力事業としてマルアイを支えています。

マルアイエピソード
コンピューター時代の
幕開けを支えた
静電気防止フィルム

1980年代

マルアイエピソード
  • 食品を“包む”から電子部品を“包む”へ

    • 一部のオフィスでパソコンが使われ始めた1980年代の初頭、食品の包装袋を製造していた化成品事業部に大きな転機が訪れました。得意先から、ある相談を持ちかけられたのです。
      「電子部品を静電気から守る袋を作ってもらえないだろうか?」
      思いも寄らぬ内容に驚きつつも、まったくの畑違いであってもお客様のご要望に向き合うのがマルアイの伝統です。まだコンピューターが普及するのかどうかもわからない時代でしたが、化成品事業部は迷うことなく開発に取り組むことにしました。
  • コンピューターの普及を追い風に成長

    • 果たして、フィルム袋の技術を活かすことで無事商品化に成功。販売をスタートすると、「静電気防止フィルム」の袋は飛躍的に売上を伸ばしていきました。コンピューターが社会に浸透していく追い風を受けて、5〜10年という短い期間でマルアイの主力事業へと発展したのです。
      そして現在、マルアイの「静電気防止フィルム」は多くのお客様に使われ、さまざまなシーンで電子部品や精密機器を静電気から守っています。

エピソードの
後日談…

お客様のご要望に応えた結果できあがった「静電気防止フィルム」は、コンピューター時代の幕開けを支えました。現在では静電気対策パッケージの専門メーカーとして40年以上になり、年間受注実績が5000件を超えるなど、主力事業の根幹となっています。「静電気防止フィルム」は、時代の変化を越えて現在を生きるマルアイの歴史を象徴する商品と言えるでしょう。

マルアイエピソード
電子部品を守る、
マルアイの透明な力
SCS
(スーパー
クリーンシート)

1980年代

マルアイエピソード
  • 突然舞い込んだお客様からの無理難題

    • 静電気防止フィルムの発売以来、着実に実績を積み重ねていたマルアイの化成品事業部。1980年代中頃、そんなマルアイにとある有名メーカーから大きな仕事が舞い込みます。
      「半透明の“導電性プラスチックシート”を作れないだろうか?」
      電子部品の大敵と言えば静電気。そのため輸送や保管で用いるトレイには、導電性のカーボンを練り込んだ真っ黒なプラスチックが使われていました。しかしこのトレイには、重ねたときに内容物が見えなくなる欠点があります。その不便を解消してほしいという依頼でした。
  • 生み出した解決策が現在の主力技術に

    • 「カーボンを使いつつ透明にしたい」。マルアイはこの難題に、透明なシートにカーボン塗料を薄く均一に印刷する技術で応えました。これにより、静電気による破損を防ぎつつも、半透明で内容物が見える画期的な電子部品トレイが誕生したのです。しかも従来品より低コストでの製造を実現しました。
      こうして生まれた半透明の“導電性プラスチックシート”は「SCS(スーパークリーンシート)」と名付けられ、今ではマルアイの化成品事業を支える主力技術となっています。

エピソードの
後日談…

マルアイの化成品事業を代表するような「SCS(スーパークリーンシート)」も、けっして順風満帆だったわけではありません。立ち上げからわずか数年も経たずに老朽化で機械の取り壊し止が決定したかと思えば、注文が途切れずに結局外注に頼りながら生産したり、外注がうまく機能せずに自社で生産することにしたりと、紆余曲折を経て現在に至っています。

マルアイエピソード
「祝儀のマルアイ」
の自負から生まれたブランド
こち

2008年

マルアイエピソード
  • 社内でも賛否両論の斬新すぎるデザイン

    • 「“マルアイの顔”となるような金封ブランドを作りたい」
      「デザイン金封」の成功から数年、社内でそうした気運が高まったことで「こち」のプロジェクトはスタートしました。コンセプトは「伝統的な様式美を洗練された意匠と素材で今のかたちに昇華させる」こと。しかし、デザイン会社との協働による試作品が社内で賛否両論を巻き起こします。
      できあがってきた金封の一部は、「love」「good」「happy」といったアルファベットの水引があしらわれた、あまりにも斬新すぎるデザインだったのです。
  • デザインだけでなく価格もセンセーショナル

    • 「日本人が金封に包んできたのは、お金だけでなく、相手を想う気持ち。デザインは変わっても、一番大切なその部分は変わらないはず」
      その信念を押し通して、「こち」はそのまま商品化されました。アルファベット水引以外にも、祝儀袋のスタンダードを引き継ぎつつ現代の感覚にアップデートしたデザインをラインナップ。3,000円という強気な価格もセンセーショナルに受け止められて、“マルアイの顔”は一気に知れ渡りました。そして現在、「こち」は金封デザインの多様性を牽引する存在として、多くの方々に愛されています。

エピソードの
後日談…

「デザイン金封」を作ったマルアイだから生み出せた「こち」シリーズ。『日経デザイン』誌の表紙を飾ったことを筆頭に、アパレル業界やインテリア業界、デザイン業界からも引き合いがくるように。
さらには「高品質であれば高価格でもお客様は付いてきてくれる」という確信は、従来の取引先から「マルアイさん変わったね」と評されるほどの変革につながっていきました。

マルアイエピソード
マルアイが生み育てた、
お盆を彩る新習慣
お盆玉袋

2010年

マルアイエピソード
  • 言い出しにくいのは、名前がないから?

    • お正月と同じように家族や親戚と顔を合わせる機会が多いのが、夏のお盆の季節。孫にお小遣いを渡したり、大人同士でお心付けを贈ったりと、お金をやり取りするシーンが多く見られるようになります。それなのに、お年玉と違って気軽に「ちょうだい」とか「あげる」と言い出しにくい……。
      こんな悩みを抱えている人もいるのでは? と、マルアイは考えました。
      「この“夏ならではのやりとり”に名前があれば、コミュニケーションしやすくなるはず!」
      そうして、お年玉にちなんで「お盆玉」と名前を付けて、専用の袋を生み出したのです。
  • お盆玉があれば、会話が生まれる

    • 正直なことを言えば、発売した当初は「余計な風習をつくって……」という苦情もありました。しかし話題になったことで「お盆玉」の知名度は向上。今では夏の定番として、広く認知されています。
      「お盆玉」の根底にあるのは、コミュニケーションのお手伝いをしたい、楽しいものにしたいというマルアイの願いです。夏には、全国のご家庭で「お盆玉ちょうだい!」「はい、お盆玉あげる」といった会話が生まれることを期待しています。

エピソードの
後日談…

お盆玉袋は発売から約3年で全国の郵便局の店頭に並ぶようになっただけでなく、「お盆玉」の認知度が上がるにつれて、生みの親としてのマルアイもメディアから注目されるようになっています。
お盆玉袋はただ商品を売るという枠を超えて、文化そのものを根付かせることに成功しました。「コミュニケーションのマルアイ」にとって、その達成こそが最も嬉しいことは言うまでもありません。

マルアイエピソード
「塗って楽しい」で終わらない
巨大な“ぬりえ”
NuRIE(ヌーリエ)

2014年

マルアイエピソード
  • 商品化を後押しした東日本大震災のエピソード

    • マルアイが作り続けてきた模造紙と、取り組み続けてきたコミュニケーション。マルアイらしさを掛け合わせた商品を模索する中で生まれたのが、「模造紙サイズの“ぬりえ”」というアイデアでした。
      その商品化を決めかねていたところに、東日本大震災の被災地の話が届きます。なんでも、避難所での遊びに模造紙が使われたものの、真っ白な紙を目の前に手を動かせない子が多かったというのです。
      「絵を描くのが得意ではない子でも、“ぬりえ”だったら楽しんでもらえたのでは……?」
      子どもたちの誰もが笑顔になってほしい。その思いが、温めていたアイデアを動かしました。
  • “ぬりえ”に込めた、会話を生み出す仕組み

    • こうして誕生したのが、A0サイズ(1,189×841mm)の巨大な“ぬりえ”の「NuRIE(ヌーリエ)」です。
      模造紙を埋め尽くす個性的な絵には、誰もがよく知る場所やモノ、数字やアルファベットが隠されています。さらには、思わず笑ってしまう愉快なモチーフもぎっしり。子どもでも大人でも、みんなで一緒に色を塗れば、絵の中の発見を通じて自然と会話が生まれます。
      パーソナルな遊びだった“ぬりえ”が、コミュニケーションツールとして生まれ変わったのです。

エピソードの
後日談…

どこかアーティスティックな絵柄の「NuRIE」は、塗り終えるとアートやインテリアにもなります。そうして幅広い世代に受け入れられたことで、「NuRIE」は子どものものと思われていた“ぬりえ”に新しい価値観を吹き込んだのです。また、「NuRIE大賞」などのイベントを通じて生まれる“エンドユーザー様と直に接する機会”は、これまでのマルアイにはない、得がたい経験になりました。

マルアイエピソード