自己PRの書き方
強みを絞り込み、エピソードで説得力をもたせる
■自己PRは応募者が自由に書ける主観情報
履歴書においての「自己PR」の役目は、あなたがどのような人物なのかを明らかにすることです。基本情報、学歴・職歴、免許・資格などは、書き方で差が生まれるものの、誰が見ても同じ客観的なデータです。学歴を変えたり、転職回数を減らすことはできません。
これに対して、自己PRは主観的な情報になります。あなたが自由に内容を決められます。それだけに、採用履歴書と、そうでない履歴書では大きな差が生まれます。
採用側は、客観的なデータだけで採用を決めるわけではありません。応募者の人となりも採用の合否の決め手になります。いくらスキルが高い人でも、社風と合わなかったり、協調性に欠けていれば採用しても会社のマイナスにしかなりません。
人物像は応募者が思っている以上に重視されています。そのため、内容をよく練り、スペースを充分に活用をして書き上げましょう。
■自己PR=自分の強みを整理して文章化する
自己PRのテーマになるのは「あなたの強み」です。
ビジネスにおいてあなたが発揮できる力を明確な言葉で表現する必要があります。しかし、実際には「強み」を整理して、文章化することはとても難しいことです。
なぜなら、人は自分が思うほど、自分自身のことを把握していないからです。 そのため、自己PRを書く前に「自己分析」を行い、自分の強みを整理する必要があります。世の中には、たくさんの自己分析法がありますが、複雑な方法であることが多く、省略してしまう人もたくさんいます。
この問題を解消するため、採用履歴書では、仕事能力の分析を手軽に正しくできるよう独自の「仕事能力分析シート」をセットにしています。詳しい使い方は、「仕事能力分析シート」の章をご参照ください。
■3つの強みを羅列せず、強調する1つを決める
自己分析シートでは、最終的に「あなたの強みベスト3」を整理していきます。これをもとに自己PRを書く時のポイントは、3つの強みを羅列しないということです。
一番の強みを強調して文章を作成するように心がけます。3つの強みを羅列してしまうと、読み手の中で印象の薄いものになってしまいます。
一番の強みを強調すると、「この人の得意なことはこれだな」ということが読み手に残りやすくなります。
■強みに説得力をもたせるにはエピソードが必要
自己PR作成のポイントは、「強みとエピソードを連動させる」ということです。
いくら自分の強みがこれです、と言ったところで説得力を持ちません。具体的なエピソードがあることではじめて、強みに説得力が生まれます。
エピソードは、幅広い視点でイメージします。仕事での出来事、学生生活やサークル活動、普段心がけていること、友達と遊びに行った時のことなど、幅広い視点からエピソードを掘り起こしましょう。
理想的なのは、「その強みによって大きな壁を超えることができた」という内容です。それにより、問題解決力のある人材であることがPRできます。
■自己PRは一歩間違えると自慢話になってしまう
自己PRを作成する時の注意点は、「自慢話にしない」ということです。
「大きな壁を乗り越えた」「大きな成果をあげた」「素晴らしい賞をもらった」といった内容は一歩間違えれば、自慢話になってしまいます。
「大きな壁を乗り越えた」「大きな成果をあげた」といった内容の時は、周囲の力を借りてそれが成し遂げられたとするのが望ましいでしょう。
「素晴らしい賞をもらった」という場合は、それがどのような賞であるかを客観的に説明することに終始し、自分自身でその賞を褒め称えないことです。
ただし、自己PR欄は、自慢話をするためにあるのではありません。その実績のためにどのような壁を乗り越えたか、どのような姿勢で挑んだかなどの性格的な部分(仕事への姿勢)を採用側は見ているのです。
理想的な自己PRの記入ポイント
- 全スペースを文章で埋めて、広めに設定した採用履歴書の自己PR欄を有効活用する
- 自己分析シートを利用して整理した「一番の強み」を強調することで印象に残るものとなる
- 強みは必ずエピソードと連動させる
- 残り2つの強みは補足の説明材料とする
- 採用履歴書のドットを目安に読みやすい間隔、視認されやすい字で丁寧に書く